相続税の申告や名義変更のお手伝いは、相続人の方とのやり取りで進めていく事が一般的です。
しかし、もし身寄りのない方に相続が発生したらどうなるのでしょう。調べてみました。
本日は死後事務委任契約についてお話しします。
死後事務委任契約とは、ご自身が亡くなられた後の葬儀、納骨、お墓、遺品整理などを、
生前のうちに特定の誰かにお願いする契約のことです。
契約内容は自由ですが、死亡届の提出や葬儀の手続きなどを依頼することが一般的となっています。
そのため、こうした死後の事務を執り行ってくれる家族がいる場合には必要ありません。
死後事務委任契約を行うメリットがあるのは次のような人です。
・独身で身近に手続きを頼める親族や友人がいない人
・子供のいない夫婦
・内縁関係の夫婦(同性婚を含む)
身近に頼れる人がいない状態で亡くなってしまった場合、
葬儀や病院代の精算などを誰が行うのかで揉めたりすれば、
第三者に迷惑がかかったりする場合もあります。
また、内縁関係や同性カップルの場合は、相続人として認められないため、
原則として死後の手続きを行うことができません。
パートナーと死後事務委任契約を結んでおけば、
戸籍に関係なく死後の手続きをしてもらえるので安心です。
死後事務委任契約と遺言書の違い
死後事務委任契約では亡くなった後の手続きの契約が出来ますが、
財産継承については効力を持ちません。
また、遺言書は財産継承にのみ効力を持つため、
葬儀や遺品整理などの希望を書いても実現しないことがあります。
そのため、各々の特性を活かすためには、死後事務委任契約と遺言書は
両方用意しておくと安心です。
死後事務委任契約は公正証書にて作成することになります。
同時に遺言書も公正証書にて作成することをお勧めします。
死後事務委任契約作成に必要となるものとおおよその費用は下記のとおりです。
・印鑑証明書(発行から3か月以内)と実印
・運転免許証・住民票などの身分証明書
・公正証書作成費用(内容により変化しますが約2万円位~)
年々少子高齢化が進んでいる中、独身で最期を迎えられる方は増えています。
そのような状況で、希望する葬儀やお墓や埋葬方法を叶えられる契約が死後事務委任契約です。
ご自身で結ぶ契約なので、病気・ケガや認知症などにならないうちに、
一度お考えいただくことをお勧めいたします。